【感想】『虚実妖怪百物語 序・破・急』 京極夏彦
★★★★☆
これはww
いや、面白かったです。本当に言葉そのままの意味で面白かった。
3巻組みでしたが一気に読んでしまいました。
帯だったかのどこかに、「京極版妖怪大戦争」と書かれていたので、まあ普通の内容じゃないだろうなとは思ってましたけどこれはw
しかしこのおふざけ感と、妖怪を民俗学的に取り上げたマジメ感とのバランス感覚はすごいですね。
どっちにも寄り過ぎておらず、且つどっちも上手く入っている感じ。
簡単に言うと、「大真面目にふざけている」と言うことになるのでしょうけど、表現としてはちょっと陳腐だなあ…
何と言うか、もう一段階上と言うか。「高尚にふざけている」とかかな。いやちょっと違うか。
こんな風に書くと京極さんに、「そもそも妖怪なんてふざけたものなんだからマジメも高尚もない」と一蹴されそうですが(笑)。
いずれにせよ、エンタメな読み物としてはたいへん面白かったです。
妖怪好きな人たちの内輪の中でだけ楽しめるようなネタばかりなのに、それを一般向けのエンタメにしてしまう辺りはさすがとしか言いようがないですね。
まあ、僕も京極作品に結構毒されていますので、「一般」の感覚かどうかは怪しい所ですけどw