【感想】『屋上の道化たち』 島田荘司
★★☆☆☆
うーん…これはですね、ちょっと難しい。
物語としてはさすがに島田御大だけあって面白いです。
いつも通り、序盤に「なんじゃそれ」と思うような奇怪な現象が起きて、そんなことに説明がつくわけがないと思いきや、御手洗君が颯爽と謎を解いて行く、という、王道中の王道とも言える展開。
これぞ島田荘司、という内容と展開ではあるのですが、真相がちょっと…
ただ、これはたぶん僕のせいです。(ここから先、多少ネタバレ的になりますのでご注意を…)
僕は個人的に物理トリックを理解するのが苦手で、特に仕掛けが大きくなればなるほど全然わからないんですよ。
ドアノブに糸をかけて…ぐらいなら何とかイメージできますが、規模が部屋になり家になり館になりビルになり…とか大きくなっちゃうと、もう全然イメージができなくなっちゃって、その構造とかをトリックにされてしまうと理解ができないからズバっと解決されてもまったくスッキリしないわけです。
今回はまさにそれ。トリックの中心となる仕掛けが物理的にデカ過ぎて、まったく理解不能。
なので名探偵の見事な真相解決も同様に理解不能(笑)。
ミステリでそこが理解できなきゃ作品の魅力なんて半減以下なわけで、そういう意味で個人的には残念ですが、これは僕の特性のせいなので、たぶん他の方が読めば感想も変わるのではと思います。