無人島に何か一つ持って行けるとしたら御茶ノ水の丸善を持って行きたい
以前にも書いたように、僕はほとんどの本を書店での出会いで買うタイプでして。
そういうスタイルだと、かなり重要なのがその書店との相性なんですよ。
いくら本好きとは言え、毎回本屋に行く度にすべての本棚をじっくり隅々までチェックする余裕も根気もないので、基本的には平積みされてたり、書棚で表紙を向けて並べられていたりするものが主な購入対象になるわけで。
ようするにその書店の推し本ですな。
これは本屋好きの同志は分かってくれると思うのですが、ここには書店ごとに特色みたいなのがモロに出るので、その相性が合う書店はもう居るだけで楽しい。
逆にそこが合わないと、いくら品ぞろえが豊富でも、なんかちょっと物足りないと言うか楽しくないと言うか…
「そんなの結局書店に踊らされているだけで、自分で見つけた宝ではない!」と言われることもありますが、まったくその通り。
でもそれでいいんです。僕は書店の用意した舞台で宝探しをしていて、そういう場を楽しんでいるので。
だからこそ、書店との相性が重要なんですよ。
で、ここからが本題。
個人的にこれまでの人生でこの書店との相性がベストマッチだと感じたのが御茶ノ水の丸善。
ここはもう何から何まで素晴らしいです。
まずは導線が良い。あくまで僕にとっては、ですけども、気になる本を見て回るのに無駄がまったくないのです。
僕の文章能力では表現が難しいのですが、ようするに単行本書籍・文庫・コミックのそれぞれ新刊コーナーを、ものの見事に無駄なく流れるように見て行くことができるんですよ。
しかもその間に既刊本も上手く挟まれいて、入り口からレジまでのロスがほとんどない。素晴らしい。
こんな素晴らしい導線を引かれてしまうと、なんとなくベルトコンベアに乗せられてしまったような感じになって、まさに流れるように欲しい本を手に取って行ってしまい、レジにたどり着いた時にはもはや両手で抱えるぐらいの量になっていると言う恐ろしいシステムです。
丸善はこのレイアウトを考えた店員に社長賞をあげるべき。
そして何よりも何よりも素晴らしいのが、新刊コーナーの推し本のチョイスです。
これがもう相性ドンピシャ過ぎて恐ろしい。
御茶ノ水丸善の新刊書籍の陳列担当者になら抱かれてもいい。
単行本新刊の書棚の前で、「これ、俺が並べたんだぜ…」って言われながら迫られたら拒めないかもしれない。
女性だったとして、「これ、私が並べたんです…」って言われたらその場でプロポーズするかもしれない。
当方四十路のおっさんなので、どちらだとしても向こうからお断りだと思いますが。
とにかくそれぐらい、本当にもう感動に打ち震えるぐらい選択センスが良いのですよ。
先日久々に行ったら、入って30秒も経たないうちに4冊手に取ってたからね。夢の国だよね。
この素晴らしさを共感できる方がいらっしゃったらぜひ飲み明かしたいです。
ビバ御茶ノ水丸善。
願わくは、近々2階にも店舗を拡大予定とのことですが、それによって恍惚すら感じる今の導線と陳列がどうか損なわれませんよう…