【感想】『書楼弔堂 炎昼』 京極夏彦
★★★☆☆
ふーむ。そうか、こんな感じの話だったっけかw
とまあ、完全に前作の記憶がすっ飛んでいて、おそらく100%楽しめなかったんじゃないかと思いますが、それでも面白かったのはさすがです。
それにしても、京極さんの本を読む時はよく思うんですが、続編が出る時に前作を思い出したくても、気軽に読める厚さじゃないんですよねえ。
けっこう期間が空いて続編が出ることが多いので、ただでさえ忘れやすい僕なんかは覚えてるわけがなくて復習したいんですが…
『ルー=ガルー』なんて確か10年空いてたはず。そんなもん、誰だって覚えてないわww
何と言うか、こういう時にこそ「前作のあらすじ」みたいなのが必要だし重宝だと思うんですけど、あんまり見ないですよね。
もちろん3行でまとめろとは言いませんけど、せめて数ページ使って自然に前作を振り返ってもらえると、楽しめる度合いが増えると思うのですが…
まあ、書店や版元的には、このタイミングで前作も抱合せて再販しようというような目論見もあったりするでしょうし、そう言う目線では新規の購買意欲を削ぐ可能性もあるんでしょう。
僕も営業的なお仕事をやってますからそう言うのはよく分かります。
でもね、何と言うか、京極さんに限らず、小説はもっと過去の読者に優しくしても良いように思うのですよ。
だって、マンガみたいに気軽に読み返せないじゃないですか。
そもそも前作が気に入って続編も買うってことは、優良顧客なわけで。
その優良顧客に作品を充分に楽しんでもらうための工夫って、もっとあるような気がするんですよね。
そうすることで、もっと満足して次に繋がると思うのですが…
「好きなんだったら内容覚えてるでしょ」
「覚えてないなら読み直せば良いでしょ」
「手元にないならもう一度買えば良いでしょ。はい文庫版」
みたいな突き放し方をされてるように思えてなんとも言えない気分になることがよくあります。
ああ、作品の感想とは違うところに行っちゃいました(苦笑)。
とても面白かったのですが、たぶん前作を覚えていたらもっと面白かったのではないかと思いますので、その分だけ残念な気持ち、と言うことで。
ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔<講談社ノベルス>
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/14
- メディア: 新書
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