本を買った理由を書いて行くブログ

読書が好きだけど感想や書評を書くのはちょっとしんどいし続かない、と言うずぼらな性格の愛書家が、「なぜこの本を買いたくなったのか」という理由だけを淡々と綴るブログ。たまに雑記も。

【感想】『ねらわれた女学校』 古野まほろ

★☆

良かったです。
抜群の傑作とまでは言えないでしょうけど、期待を外さない秀作でした。

そもそもこのシリーズの舞台設定自体が、孤島にあるミッション系女子高と言う、まあミステリとしては古典的な要素満載の設定で、しかしそれを古くさくなく読ませるのですから大したもの。
まあそれもこれも登場人物の立ちまくったキャラ設定の勝利ですよね。
このシリーズの主役は3人の女子高生。その3人がそれぞれ、「フーダニット」「ハウダニット」「ホワイダニット」と言うミステリの常套推理システム3パターンを受け持って、連携しながら謎を解いて行くスタイル。
異なる推理のしかたをするキャラが複数登場する、と言うパターンも別に新しいわけではなく前例をいくつか思いつくのですが、女子高生ですからねえ。
いや、女子高生探偵だってよくあるパターンなんですよ? 別に珍しくないです。
ただ、何と言うか、夢野久作小栗虫太郎のような世界観の中に現代の女子高生をそのままぶち込んで、上からトンデモ要素をぶっかけて盛りつけました、みたいな内容に違和感が出ない方がおかしいのに何故か違和感なく読めると言う、そここそが古野まほろの恐ろしさなわけで。

まあ僕の拙い表現力ではどうにも言い表せないので読んでもらうしかないんですけどね。
オススメしますが、出来れば『天帝シリーズ』から読んでもらう方が良いかなと思います。

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