【感想】『家康、江戸を建てる』 門井慶喜
★★★☆☆
んー、正直に言うと、もう一つ星が多くても良いような気はします。
それぐらい面白く読めたので。
ただまあ何と言うか、これは単純に買う時に思ってたイメージとちょっと違ってた、というところがありまして。
買った理由でも書いたように、これは「家康の視点で江戸建国を描いたリアルシムシティ」的なお話しだと思っていたのですよ。
(そもそも小説なのに「リアル」はおかしいという矛盾は置いといて(笑))
ただ実際に読んでみると、そういう視点もあるにはあるものの、どちらかと言うと、江戸建国と言う大事業の様々な部署で尽力した「人」と「家」の話でした。
治水事業、貨幣事業、築城事業、等の事業部において、どのような難題があってそれを解決して行って江戸という町が出来上がるのか、と言う、まあ今風に言うと、企業内の事業部長さんとか、その下で働く主任さんとかの苦労と努力のお話し。
もちろん、それはそれで面白かったんですけどね。
何と言うか、サラリーマン的にはちょっと生々しかったと言うか(苦笑)
もっと上の、家康のような神様的な視点から江戸ができる様を見られると気楽だったと思うのですけど、どうも自分に置き換えて仕事と重ねて考えちゃったりしてなんか純粋に楽しさだけを感じられなかったと言うか。
まあそんなしょうもない理由なので、たぶんオススメ度的に言うなら星は4つぐらいです。
逆に共感して良いと思う人もいっぱいいると思いますし、これはただただ最初の印象で期待しちゃったこととズレがあったガッカリ感というきわめて個人的な理由でのマイナスなので、これから読む方は特に気にしなくて良いと思います。