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本を買った理由を書いて行くブログ

読書が好きだけど感想や書評を書くのはちょっとしんどいし続かない、と言うずぼらな性格の愛書家が、「なぜこの本を買いたくなったのか」という理由だけを淡々と綴るブログ。たまに雑記も。

【感想】『壁の男』 貫井徳郎

★☆

良かったです。
でもこれ、ミステリじゃないですね。
いや、確かに帯にもどこにも「ミステリ」とは書いていないんですよ。
でも作者が貫井さんだし、あらすじにもなんか「謎が明かされていく」みたいな表現があるし、そしたらミステリだと思うじゃないですか。ねえ。

まあ、「謎」はあるので広義ではミステリと読んでも間違いないのでしょうけど、いわゆるミステリ作品を期待して読むと肩すかしだろうとは思います。
純粋に小説として良かったですけどね。

ただ、良かったんですけど、なんかちょっとモヤモヤが残る部分もあり。
物語自体が大きくいくつかに分かれた構成になっているのですけど、そのすべてで少しずつモヤっとしたところが残っているんですよね。
これは書くとネタバレになっちゃいそうなのでデリケートなんですが、物語の大半が、ルポライターが主人公の人生を探って行くところに焦点を当てていて、少しずつそれが見えて来るのですが、最後の最後でちょっとぼかされている感じ。
たぶんこれは意図的なんだろうと思うのですが、僕はこういうのが苦手でして…
100のうち80ぐらいまでは書いたんだから、あとの20はもうだいたい想像もつくだろうし、読者それぞれの想像に任せます、的な。
僕はこの20が気になっちゃって仕方ないタイプなんですよね。
なので、想像はついてもスッキリしないんですよ。しかも今回はあんまり想像もつかず(笑)。

確かに「皆まで言うのは野暮」ということもあるのでしょうけど、分からないとモヤモヤするのはどうしようもないので…
まあ僕のような野暮天でなければ、逆にそう言う引き方が感動を呼ぶこともあるのでしょうし、これはあくまでも個人の問題なんでしょうね。

ただ、そんな風にモヤモヤが残っていて気持ち悪いと感じるにも拘わらず、小説として「良かった」と思えるのは逆にすごい。
それだけ素晴らしい物語だったと言うことかと思います。

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