本を買った理由を書いて行くブログ

読書が好きだけど感想や書評を書くのはちょっとしんどいし続かない、と言うずぼらな性格の愛書家が、「なぜこの本を買いたくなったのか」という理由だけを淡々と綴るブログ。たまに雑記も。

小説

【感想】『娘の結婚』 小路幸也

★★★☆☆ 何と言うか、小路さんらしい作品。なんでもないシーンを、なんでもないのに素敵に描く。読んでいてじんわりし、読み終わってほっとする。寒い日に飲むホットティーのような感じの小説。 book-aok.hatenablog.com

『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』 井上真偽

はい、前にご紹介したなかなかトンデモなミステリの続編です。奇蹟があることを証明するために、すべてのトリックを否定すると言う無茶な設定のアレwぶっちゃけ。「すげえ面白かった!」とまでは言えなかったのですが、その突拍子もない設定と際立ったキャ…

『東京帝大叡古教授』 門井慶喜

正直に言うと、これを買う気はありませんでした。実際、過去に一度書店で見かけて、手には取ったものの見送っていまして。その時買わなかった理由は、明確には覚えていないけど、裏表紙のあらすじにさほど惹かれなかったことと、帯にあったドラマ化告知の藤…

『ジョニー&ルー 絶海のミッション』 ジャック・ソレン

先日感想を書いた通り、これはまあ前作が気に入ったからです。と言うか、前作を買った時点でもうこちらも刊行されており、並んで積まれていたので、まとめて買っちゃおうかとも思ったんですよね、実は。でもまあ初めて読む作家だし、印象だけでまとめ買いし…

【感想】『ジョニー&ルー 掟破りの男たち』 ジャック・ソレン

★★★☆☆ 案の定、なかなか面白かったです。 ただね、なんつーか、ルー強過ぎwなんでしょう、この人。ランボーかターミネーターかと言うぐらいトンデモww途中からもはや笑っちゃって、脳内でシュワちゃんにしか思えなくなっちゃって、「あー、まあシュワちゃ…

『アンマーとぼくら』 有川浩

これはまあ有川さんだから、と言うのが手に取った理由ではあるのですが、買いたいと思ったのはあらすじを読んで。転載すると以下の通り。 休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。一人目の「お母さん」はリョウ…

【感想】『犬の力』 ドン・ウィンズロウ

いやー、時間かかったなー。まあ予想通りではありましたが、なかなか濃密でかつヘビーな内容で時間かかりました。とは言え、決して読みにくかったわけでも面白くなかったわけでもなく、むしろすごく面白かった。これはすごいわ。そりゃ続編出るわ。名作です…

『ジョニー&ルー 掟破りの男たち』 ジャック・ソレン

まず表紙が良いですよね。007を思い起こさせるような、ベタさとカッコよさを同居させた感じ。そしてあとは設定。元スパイと元特殊部隊の隊員がコンビを組んだ大泥棒って。もうこの設定だけで面白いに決まっているので、読むのがとても楽しみです。既に続刊も…

【感想】『屋上の道化たち』 島田荘司

★★☆☆☆ うーん…これはですね、ちょっと難しい。物語としてはさすがに島田御大だけあって面白いです。いつも通り、序盤に「なんじゃそれ」と思うような奇怪な現象が起きて、そんなことに説明がつくわけがないと思いきや、御手洗君が颯爽と謎を解いて行く、とい…

『残り火』 小杉健治

これはまあ僕の好物のひとつである「法廷モノ」だったことが一番かな。それ以外には実はそんなに買いたくなった理由が思いつかないのですが、購入衝動の強かった日に流れで買ってしまったのかもしれません(失礼)。実際、これ買った日は他にも5~6冊ほど一…

【感想】『嶽神伝 孤猿』 長谷川卓

★★★☆☆ 前作に続き、安定した面白さですが、ただもう本当になんつーか山の民強過ぎw忍者業界でも「最強」に近いと言われてるような化け物に結構あっさりと勝ってしまうところとか、「いやいやいや、それはさすがに」とか思わないでもないです。あと、そんな…

『犬の力』 ドン・ウィンズロウ

これはですね、正直に言うとこの作品を見つけて「欲しい」と思ったわけではなく、この続編でもある『ザ・カルテル』を書店でみかけてたいへん面白そうだと思ってしまって、でもそれを充分に楽しむならさすがに前作を飛ばすわけにもいかんと言うことで買いま…

【感想】『その可能性はすでに考えた』 井上真偽

★★★☆☆ 正直イロモノだと思っていたのですが、意外と楽しめました。「奇蹟」を証明するために、あらゆるトリックの可能性を否定すると言う、まあミステリとしてばトンデモな設定なので内容もそれなりに飛んでるわけですが、それでも読めたのはキャラが立って…

『スティグマータ』 近藤史恵

チャリンコの季節ですね!僕が「チャリンコ」と言う場合、それはサイクルロードレースを指しますのでそうご理解いただければと思います。と言うことで、つい一昨日からツール・ド・フランスが開幕したように、今はまさにチャリンコの季節なのです。 そしてお…

【感想】『オービタル・クラウド』 藤井太洋

★★★★★これは良かった!いやー、素晴らしかったなあ。こんなにすごいスケール感の宇宙小説を書ける人が日本にいるんですね。これはもうハリウッドが映画化権を買っても良いのではないかと思うぐらいのエンタメでした。そんな風に思えたのは『ジェノサイド』以…

【感想】『砕け散るところを見せてあげる』 竹宮ゆゆこ

★★★☆☆ なるほどなるほど。確かに、伊坂幸太郎さんが帯に書いていた通りの小説ですね。こういうのが苦手な人もいると思うし、僕自身、どちらかと言うと好きな方ではないかも。でも確かにこの構想自体はよく出来ているなあ、と。終盤、物語は急に展開が早くな…

『烏に単は似合わない』 阿部智里

これは、書店の平積みマジックにやられましたね。シリーズ物の一作目で、実はもう3作ぐらい出ているらしいのですが、これまではまったくノーマーク。たぶんその最新刊の発売と共にちょっとした特集コーナーみたいなのが設けられていて、ついつい…最近でこそ…

『嶽神伝 孤猿』 長谷川卓

これはですね、ちょっと恥ずかしい理由なんですが…先日、これのシリーズ前作である『嶽神伝 無坂』を買ったという記事を書きました。 book-aok.hatenablog.com ところが、帰宅してから見てみると、何故か買ってたのはこちらの『孤猿』の方だったんですよ。な…

『オービタル・クラウド』 藤井太洋

これは、あらすじを読んでとても惹かれたので買いました。あらすじの何に惹かれたのかと言われると説明が難しいのですが、不可解な事象が起こってそれの真相はこうだった、と言ういわゆるミステリ的な要素があったことと、あとはテロを防ぐために時間制限の…

『ポーラースター ゲバラ覚醒』 海堂尊

はい、これはまあ海堂さんと言うことで特に理由はなく買いは買いなんですけども。これまでのバチスタシリーズとは打って変わって、なんとチェ・ゲバラの物語。 書店で平積みされてるのを見て、「お。海堂さんの新作じゃん」と気付き、「今回はどこが舞台なの…

『砕け散るところを見せてあげる』 竹宮ゆゆこ

これはなかなかタイトルが魅力的ですよね。まず手に取った理由はほとんどそれです。で、決め手は帯の伊坂幸太郎の推薦文でしょうか。そんなにすごい大絶賛、という感じの推薦文ではないのですが、「野心的な構造に感心した」とありまして。小説の構造や内容…

【感想】『家康、江戸を建てる』 門井慶喜

★★★☆☆んー、正直に言うと、もう一つ星が多くても良いような気はします。それぐらい面白く読めたので。ただまあ何と言うか、これは単純に買う時に思ってたイメージとちょっと違ってた、というところがありまして。買った理由でも書いたように、これは「家康の…

【感想】『図書館の魔女 烏の伝言』 高田大介

★★★☆☆うん、面白かった。面白かったんですが、さすがに前作からの月日が経ちすぎていて、それを踏まえた設定部分はもう全然ちんぷんかんぷんwだからと言って前作は、「じゃあちょっと読み返すかなー」と気軽に思えるようなページ数ではなく(苦笑)と言うこ…

『小説王』 早見和真

これはねえ…なんかちょっとズルい(笑)まあ、買った理由を正直に書くなら、表紙や帯に書かれていた推奨文です。実は僕は個人的に、「書店員さんのオススメ」と言うのを信じないタイプでして。だって書店員だからって人より本を読んでるかどうかなんてわから…

『嶽神伝 無坂』 長谷川卓

これは前作の『嶽神』を読んでなかなか面白かったので。裏表紙のあらすじとかを読む限りでは、登場人物が共通している続編ではなさそうですが、まあそれはそれ。こういう「山の民」的な人たちの話はけっこう好物のひとつで、ついつい手が出ます。同じように…

『屋上の道化たち』 島田荘司

これはまあ作者買いなのですが、ゴールデンウィーク前には発売されていたのです。なのに以前の記事でも書いたように、何故かGWに入って以降本屋になかなか行けず、今まで買えていなかったので念願の購入。御手洗潔シリーズ最新作にしてシリーズ50作目という…

『家康、江戸を建てる』 門井慶喜

タイトルが全てを表しているような本ですが、もうこのタイトルだけで買いですね。こんなの面白そうに決まってるもの。だって、江戸という町がどうやって出来上がったのかという、それだけでも興味深い歴史題材を家康目線で描くってことは、これはもうリアル…

『光秀の定理』 垣根 涼介

これは2013年の本なのですが、確か僕の2013年のベスト3です。(1位が『風に立つライオン』、2位が『桜ほうさら』)僕の記憶が確かなら、ここまでに垣根さんの作品は一つか二つしか読んでいなかったのですが、そもそも時代物のイメージがなかったので興味を惹…

『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ』 小路幸也

これはですね、作者買いリストにこそ入れなかったものの、まあシリーズ買いと言うか。この東京バンドワゴンシリーズは本当に素晴らしいので、新刊出たら絶対買います。毎年春に新作が出て、2年後に文庫化されるという流れなので、本作も単行本で出たのは2年…

『その可能性はすでに考えた』 井上真偽

「本格ミステリにまだこんなトリックがあったのか!?」と言う帯の煽りにやられて買いました。まあ、帯がなかったとしても、講談社ノベルスの新刊と言うことで、森博嗣・西尾維新と並びで陳列されていた時点で、流れで手に取った可能性は高いですが(笑)こ…